導入事例

2023.11.13

【チャットボットを活用したDX推進】社内外の問い合わせ工数を10~20%削減した取り組みとは

【チャットボットを活用したDX推進】社内外の問い合わせ工数を10~20%削減した取り組みとは

目次

積水化学工業株式会社 環境・ライフカンパニー様

住まい、住・社会インフラ、エレクトロニクス、モビリティ、健康・医療化成品、高機能プラスチックなどを中心に、事業展開をすすめる積水化学工業株式会社。

その中でも、環境・ライフラインカンパニーは、樹脂配管材やバルブ、雨といやユニットバスなどの建材、鉄道用の合成まくらぎなどの他、インフラ老朽化対策として管路更生工法なども開発。塩ビ管「エスロンパイプ」を代表ブランドとして事業展開し、安全・快適なライフラインや水環境づくりに貢献しています。

同カンパニーではDXを推進する施策の1つとして、2020年より社内外の問い合わせ対応に「おもてなしSuite」のチャット機能の活用を開始。社内外からの多くの問い合わせをセグメント、よくある簡単な質疑応答はAIチャットボットで省力化、人的リソースはソリューション案件に集中させることで、質の高いコミュニケーションの実現を目指しています。

ご協力いただいた皆様

総合研究所 エンジニアリングセンター 建築システムグループ 担当課長 石倉

チャットボットの改善を通じて、社内業務の質とユーザーの利便性を高めることを目的に、技術ナレッジのDX促進テーマの旗振り役を務める。

総合研究所 エンジニアリングセンター 建築システムグループ 田中

ユーザーや社内での技術ソリューション活動を主業務としながら、今回のチャットボット導入を主導してきたワーキンググループメンバーの1人。

営業DX統括部 営業企画グループ(東京) 係長 松本

営業側のチャットボットワーキンググループリーダーを経験、今後さらに営業の生産性向上に向けた業務効率化を推進する企画メンバー。

AIチャットボット導入は、社内工数を削減しながら質の高い業務にシフトするDX推進の切り札の1つ

Q:AIチャットボット導入の背景を教えてください。

田中:3年程前に、DXを推進することで社内工数を削減し、より質の高い業務にシフトしていこうというワーキンググループが発足し、私と松本が参画しました。

色々なDX推進施策の案が出た中で、私自身、日々技術側で社内の問い合わせ対応をしていましたし、同じワーキンググループの営業担当も問い合わせ対応に多くの時間を割いていたことから、これらの社内業務を効率化、精緻化のため「チャットボット」に焦点を当てました。

石倉:当カンパニーでは扱う製品が幅広く、ユーザー層も多岐に渡っています。それぞれのシチュエーションやタイミングに応じて、様々な問い合わせに都度対応する工数負担が多く、これをDXで劇的に縮減できないか?という重要なテーマに掲げ、まずは代表製品である「エスロン」樹脂配管材を対象に取り組みを始めました。

Q:AIチャットボットで、どのような課題を解決しようとしたのか教えてください。

田中:大きく分けて、2つあります。

1つは、製品や施工、原材料などに関する豊富な知識、多岐にわたるノウハウの属人化です。

ベテランの方々が定年退職やシニアとしてのキャリアを終えていくことで、組織として大変重要なスキルが散逸、失われていくという、大きな課題がありました。

現場経験を通じて培ってきた知識や情報を、AIチャットボットに実装、繰り返し学習することで質疑応答を自動化、同時にデジタルデータベース化により効率的に社内蓄積しようと考えました。

もう1つは、問い合わせ対応の工数負担です。

お客様からの問い合わせの中には、重要で回答難易度が高いものもあるのですが、製品カタログを見れば分かっていただける内容まで担当社員が回答していくと、多くの作業時間と人件費がかかります。また、簡単な回答なのは分かっているが、どこを見れば回答できるかとか、説明の仕方が判らないなどという質問への対応にも、多くの時間を割いていました。

このような簡単な問い合わせに対して、AIチャットボットが自動回答する仕組みを構築する、必要な情報、知識のありかを明確にする。すると、以降は社内メンバーやユーザーが即時に検索して、自主解決できる。

このようなバックアップ形態をつくることで、営業側、技術側双方の工数削減を目指しました。


約20項目の要求品質のスコアが最も高かった「おもてなしSuite」

Q:AIチャットボットの選定は、どのように比較・検討したのか教えてください。

田中:このようなシステムは一度導入すると長期間にわたる運用が前提となるため、慎重を期しました。

社内稟議をクリアできる水準を目安に、快適性や運用性など約20項目の要求品質を細かく設定しました。それぞれの項目に対して調査を進め、最終的に7社に絞って比較しました。その中で、一番スコアが高かったシステムが「おもてなしSuite」でした。

もちろんコスト面も非常に重視しました。

どのくらいユーザーに、どの程度利用していただけるか? 社内では初めての試みだったので参考になるデータが乏しく、予算建ての根拠となる数字がまったく予測出来ません。利用ユーザー数などによる従量課金制では、金額上限と総額予算の見立てが出来ず、比較検討に大変苦労しました。その点、「おもてなしSuite」は、シンプルな料金体系になっており、機能は豊富ながら、手頃な価格である点は、大きな候補要因となりました。

Q:導入後の社内工数削減の効果を教えてください。

田中:いまチャットボットは、社内用と一般公開用の2サーバーで運用しています。

2020年12月に運用開始した社内用では、お客様からの間接的な問い合わせ含め、全体として20~30%は削減でき、最近では、質の高い質問の比率も上がっています。

松本:一般公開用チャットポットは、環境・ライフラインカンパニーが運営するポータルサイト「エスロンタイムズ(https://www.eslontimes.com/)」にて2023年4月より導入しました。まだオープンしたばかりですが、数多くのお客様に利用いただいております。簡単なお問い合わせはお客様ご自身がポータルサイトに入り、質疑応答いただけるので、営業側のお問合せ対応工数が減っており、最近では約10%程度削減されているとのことです。

田中:また、今までは、電話をしたり、メール送信することにハードルを感じていた方々が、気軽にチャットボットを利用することで、質問に答える間口が広がり、間接的ユーザーの利便性、エスロンブランドへの信頼性向上にも寄与しているかもしれませんね。

問い合わせの数を減らしながら、質の向上させることで構築している信頼関係

Q:その他、チャットボット導入による効果があれば教えてください。

石倉:営業とお客様とのコミュニケーションがより深化し、弊社への問い合わせも専門的、即効的な内容にシフトしています。またこのような質問に正確に答えようとすることで、営業側と技術側の社員間にも、質の高いコミュニケーションが生まれ、相互のスキルアップと信頼関係が出来始めています。

量が減ることと質が高まることが、矛盾せずに両立できている好例だと思います。

田中:個別物件に関する、かなり突っ込んだ質問、汎用的には答えにくいお問合せも増えています。実際に導入を予定している現場からの問い合わせだったり、なんとか採用したいという設計・施工関係のお客様からの相談が多くなり、対応する技術側にも手ごたえや達成感を感じる事が増えてきました。

松本:また、期待されている新製品に対しては、発売後に数多くの質問が来る前に、予め幅広いFAQを想定しました。

当方では従来製品と同様と思われる簡単な相談や質問にも、スピーディーに対応する事で、発売当初の製品へのお客様の不安や迷いを解消することが先決だと思いました。

Q:「おもてなしSuite」を導入してみて、良かった点・優れていると感じている点を教えてください。

田中:Q&Aをカテゴライズして管理することができる、という点が優れていると感じています。もともと社内ではトラブル回避のため、「営業まで」「技術まで」という出し分けを想定していました。他社サービスではQ&Aをカテゴリー別に管理できないことが多かったため、この点は差が大きかったです。

また、「おもてなしSuite」は一問一答でQ&Aを登録するだけで、ランク学習も精度を向上させられる点が良いと感じています。他社のチャットボットだと、1つの回答に対して5つぐらいの質問を用意しなくてはいけないため、Q&Aは1,500~2,000近くある場合、5倍の質問を考えるとなると10,000近く作らなくてはいけません。それだと、とても運用ができないですね。

「チャットボットは育てるもの」-導入後の社内浸透も重要

Q:導入・運用で苦労した点を教えてください。

田中:まず、導入においては「チャットボットって何?」という点を払拭する社内啓発ですね。メールも面倒だから電話で訊いて、自分で問い合わせる、という従来のスタイルを変えていくなどの社内環境への浸透はいまだ半ばかと思います。

松本:ベテラン社員の多くは、サービス導入=出来上がったもの、また、対応スキル=自分でつくるもの、学ぶもの、という認識が根強いです。しかし、チャットボットはみんなで育てて、みんながつかう、共有するものにする、そのあたりの認識違いを埋めていくのは、まだまだ大変です。

それでも、過去2回実施した社内アンケートでは社内の6割以上がチャットボットを使用しており、「今後も使い続けたいか」という質問に対しても8割の方が「はい」と答えていただきました。

「質問入力の途中でもFAQの一覧表示が出てくれるので、検索が早く出来て、とても助かっています。さらに複数パターンのFAQを用意していただけるとより便利です」のような、一緒に育てるという認識が、社内の利用者にも伝わり始め、大変心強いです。



田中:また、弊社で扱う製品の特性上、製品によって同じ質問であっても回答が異なるケースが多くあります。質問は「配管支持方法を教えてください」といった場合には、樹脂配管材だけでも10種類あり、原材料毎の性質、特性が違い、用途や使用場所が異なるため、製品ごとに回答が異なる事があります。

社外に公開することを前提としていたので、間口を広げながらも、誤解を招かず、責任範囲を明確にしたFAQを示さないと後々のクレームや損害に至る可能性があります。その中で類似製品ごとに高い正答率を維持しながら、聞かれた製品や施工法などに対して、適格な回答や解説をしなければならない。そういうFAQ案に仕上げるところも、大変苦労しました。

石倉:ちょっと専門的な対応例になりますが、「ポリエチレン管」についてお客様が問い合わせたけれども、チャットボットは「塩ビ管」のFAQを抽出したとします。しかし、回答内容に「塩ビ管では~」の記載がないと、弊社のどんな樹脂配管材にも当てはまる回答だとお客様が解釈してしまう。

そんな行き違いを防止するため、チャットボットが主旨の異なるFAQを示しても、お客様側で気付けるよう、すべての回答には(  )の中に製品名を明示するようにしました。

Q:今後、「おもてなしSuite」に期待することを教えてください。

松本:各パートで進行している社内システムとの連携や、ChatGPTなどのAIとの組み合わせに柔軟に対応いただけることを期待しています。

田中:AI学習の精度の向上は引き続きお願いしたいと思っています。そういった観点からも、精度向上にむけたChatGPTなどの活用提案を期待しています。

石倉:社内用と一般公開用を同一アカウント内で権限付けできるようになれば、FAQブラッシュアップ作業が省力化出来ますし、情報レベルの変更に応じて切り替えが簡単になり、チャットボット運用面でもメリットが大きいのではと思います。

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貴重なお時間をありがとうございました!!「おもてなしSuite」のAIチャットボットを通じて、社内外の問い合わせ工数を削減しつつも、より質の高いコミュニケーションに貢献できているようで光栄です!

今後も様々なご意見を反映させながら、更なるサービス改善を目指していきたいと思います。







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