自動見積り・Web申込で海外顧客へもスムーズに対応、イヤホンガイドのケンネットが進める“現場主導のDX”

■ 株式会社ケンネット

株式会社ケンネットは、ガイドレシーバー「イヤホンガイド」の製造・販売・レンタル・保守サービスを手掛ける専門企業です。1994年の創業以来、「”伝える”に関わるすべての人をHAPPYに。」という理念のもと、劇場・美術館・観光施設・イベントなどで活用される音声ガイドソリューションを提供。ガイド用無線機を専業とするソリューションサービスのNo.1企業です。

代表的な製品「イヤホンガイド」は、軽量かつ操作しやすい受信機でクリアな音声を安定して伝えることができます。また、製品の提供だけでなく、レンタル運用サービスも強みのひとつです。大量の受信機を必要とする公演や展示会などでは、事前準備や機材の配布・回収、整備までを一括でサポート。主催者の負担軽減に寄与しています。

技術革新を重ね、様々なシーンで高い支持を得ている株式会社ケンネット。「おもてなしSuite DX」の導入により、業務効率化や管理体制の強化がさらに推進されました。

今回は通信機器事業部のご担当者様に、導入前の課題や活用方法、実感している効果についてお話をお伺いしました。
製品：イヤホンガイド(KR -400-T・KR -400-R)｜重量わずか46gの超軽量トランシーバー。最大20時間電池持続可能。

■ Excel管理からの転換、DXで生産性を高める仕組みづくりへ

―「おもてなしSuite DX」の導入を検討された背景について教えてください。

これまでイヤホンガイドのレンタル申込は、ExcelやPDFで管理するなどアナログな運用が中心でした。業務効率化の必要性を感じつつも、人員を増やすと収益性が下がるという課題があり、改善に踏み出しにくい状況が続いていました。こうした中、まずは業務のデジタル化を進めるために「kintone」の活用を始めたことが今回の取り組みの土台となっています。

まずは、クリーニングを委託している工場への出荷指示にkintoneを使い始めたことで、一部業務の自動化が可能になり、効率化を実感しました。しかし、ラクになったのは主に大手旅行会社向けの出荷指示のみです。依然として、一般のお客様からのレンタル申込はExcelやPDFによる管理が続いており、根本的な業務負荷の解消には至っていませんでした。

そこで「レンタル申込をWeb申込に一元化し、その内容をkintoneへ同期できれば効率が良いのでは」と思ったことが「おもてなしSuite DX」導入のきっかけとなりました。

■ 複雑なレンタル料金の計算をデジタル化、理想の運用フローをそのままカタチに

―kintoneとのデータ連携には成功していたとのことですが、どのような部分が課題として残っていたのでしょうか？

レンタル申込やお問合せの中で負担となっていたのが「料金・付属オプション品の計算」でした。申込フォームからkintoneへデータを自動連携できることは確認できたものの、変動要素の多い「複雑な条件分岐を含む料金の自動計算」は、kintoneだけでは実現が困難。どうにか自動化できないかとツールを探していた中、偶然に出会ったのが「おもてなしSuite DX」です。

―課題の解決策として「おもてなしSuite DX」以外の方法も案に出ていましたか？

他社ツールもいくつか試しました。しかし、当社のレンタル金額や付属オプション品の計算が非常に複雑なため、他社ツールでは文字列判定による計算分岐ができなかったり、kintoneアプリを複数作らないと計算ができなかったり…。「おもてなしSuite DX」以外ではこの計算が上手くできませんでした。

―「おもてなしSuite DX」を選ばれた決め手はどのような点にあったのでしょうか？

複雑な条件分岐を含む計算ができる点です。自分が思い描いていた理想の運用フローをそのままカタチにできました。また、カスタマイズの可否について問い合わせた際に、カスタマーサポートの方に丁寧にお答えいただけたことも、導入を決めた理由の一つです。

■Web申込導入で出荷台数が前年比10%増、お客様にも選ばれる運用体制へ

－「おもてなしSuite DX」導入後の効果はいかがでしょうか？

「おもてなしSuite DX」の導入により、申込業務の作業時間が大幅に短縮しました。導入前は「大まかな費用を知りたい」といった初期のお問い合わせに対しても、電話で必要台数や利用期間などを確認し、その都度見積書を作成・送付する必要があり、多くの工数が発生していました。

導入後は、Web上で自動見積りが可能となったことで「申込→受領」というシンプルなフローへと短縮できました。これにより、月あたり15時間以上、累計で50〜80時間以上を削減できています。加えて、レンタル時に付属するオプション品（予備電池・予備機）の数量もその場ですぐに確認できるようになり、社内の業務効率だけでなく、お客様からもご評価いただいております。

また、Web上で自動見積り・お申込みが可能になったことで、海外からの新規のお客様にもスムーズに対応できるようになりました。「おもてなしSuite DX」導入によって利便性が向上し、Web申込を開始してからの出荷台数は前年比10％増を記録。コロナ禍前の売上を上回る成果へとつながっています。
HP上から誰でも利用できるお申込みフォーム

―「おもてなしSuite DX」の運用に関わる時間はどのくらいでしょうか？

現在は細かい修正や軽微な調整のみです。平均で週に1時間程度です。

―「おもてなしSuite DX」を使う前・使用後にどのようなイメージギャップがありましたか

使用前の印象：
「ノーコード・ローコード。マウス操作だけで簡単に作れるのはありがたい。」と感じていました。

使用後の印象：
もともと営業出身で、知識もエクセルの関数程度。フォーム自体は簡単に作れたものの、料金計算などロジックの設計には想定以上に苦労しました。おもてなしSuiteのカスタマーサポートの方に相談しながら複雑なフォームの分岐、条件設定を構築していきました。

■ 申込窓口のWeb化で、顧客対応のスピード向上を目指したい

－最後に、今後取り組もうと思っていることはありますか。

現在、レンタル料金やオプション条件が契約先ごとに異なるため、そこをいかに集約していくかが今後の課題です。また、イヤホンガイドの申込フォーム以外にも、問い合わせやデモ機貸出など、さまざまな申込窓口をWeb化して、kintoneへの自動取り込みによる効率化を推進していきたいです。

ーお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました。

今回の導入を通じて、ケンネット様は複雑な業務プロセスをシステム化し、まさに「理想の運用フローをそのままカタチに」されました。「おもてなしSuite DX」によるWeb申込の仕組みは、業務効率化だけでなく、顧客体験の向上や新たなビジネス機会の創出にもつながっています。

改めまして、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました！

【本事例で紹介したツール一覧】

■イヤホンガイド

「イヤホンガイド」は、観光地や美術館、工場見学などで、案内員の声をクリアに参加者へ届ける無線ガイドレシーバーです。
1994年の創業以来、国内シェアNo.1の実績を誇り、軽量・コンパクトで操作が簡単なことから、幅広い年齢層の方にご利用いただいています。
「伝える」をサポートし、ツアーやイベントの満足度向上に貢献します。
※イヤホンガイド、Earphone Guideは㈱ケンネットの登録商標です。
https://www.earphone-guide.jp/

■おもてなしSuite DX

おもてなしSuite DX」は活用シーンに合わせたフォームやマイページをマウス操作だけで簡単スピーディーに作ることができるサービスです。作成したフォームやマイページは全てサイボウズ株式会社が提供する「kintone」と連携が可能で、データベースの構築を考える必要は一切ありません。データを管理画面で集計し、csv等でダウンロードすることも可能です。フォームの作成から分析まで「おもてなしSuite DX」ひとつで管理できます。
https://omosui-dx-cx.showcase-tv.com/